女性はいくつになっても女性

三月末日の正午過ぎのこと

空は青く雲一つない、お日様からは暖かな日が差していて薬局内も
いつもより自然と明るく、ポカポカしていました

そんな陽気のなか、一人のおばあちゃんが薬局に入ってこられました

小柄で、少し前かがみの姿勢。頬は気温のせいか、少し赤いように見えました

「すみませ~んちょっと、これ空けてくれないかしら

そういって、バッグから取り出したのは………、

若い女性が使うような、かわいらしい柄のついたピンク色の制汗スプレーでした。

私は、おばあちゃんが自分でスプレー使うのかな?お孫さんのかな?

などと、いろいろ考えながら、
とりあえず、ハサミで包装してあるビニールをやぶり、開封してあげました

「ありがとう。今日はいつもより、暑いねぇ、汗ばむくらいだよ。
いまから先生のところに診察にいくのよ。
汗かいてると、恥ずかしいからねぇ

と、少し照れ笑いしながら、顔を赤らめているおばあちゃん

私は、なるほどと理解できました

とてもかわいいおばあちゃんだなぁと思いました

女性はいくつになっても、やはり女性だなぁと感じました

同時に、ホッと心が温まり、癒された時間でした

関東スタッフ