ビスホスホネート製剤について

お薬の話です。今まで、一日一回、一週間に一回と2種類あったビスホスホネート(BP)製剤ですが、9月に、一ヶ月に一回服用で効果がある、ボノテオ/リカルボン50mg(成分名:ミノドロン酸)が上市されました。既存の製剤は、1mgとして薬価収載されていました。
現場では、BP製剤の飲み間違え、飲み忘れが常態化しているように見受けられます。そういう方には、一か月に一回だけの服用で済むのでわずわらしさが無いので、アドヒアランス(=服薬治療への主体的参加)の向上に一役買う新薬だと思っています。

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トラムセット

こんにちは月曜日のまじめな薬のお話です

 今回は7月に発売されたトラムセットについてです。この薬は以前から発売されていたトラマール(トラマドール)37.5mgとカロナール(アセトアミノフェン)325mgの配合錠です。トラマールの適応が癌性疼痛であるのに対してトラムセットは非がん性慢性疼痛、抜歯後の疼痛の適応となりました

 私はトラマールの適応が非がん性慢性疼痛まで広がると思っていたのですが、配合剤として発売されるとは驚きました。配合の割合については臨床試験で試した結果決められたみたいです。残念ながら私にはトラマールの投薬経験がありませんが、「吐き気」が高い確率で発生するようです。ただし2,3日の服用で緩和されていくとのメーカーからの説明を受けました。

 薬局で働いていると、多くの高齢者の方に腰、膝の疼痛に対して長期にわたり非ステロイド系鎮痛剤が処方されている例を見ますが、みなさんご存知の通り、高齢者に対する長期非ステロイド剤投与は腎機能低下、心不全、胃腸障害等のリスクを高めます、しかも疼痛が非ステロイドでは緩和されていない方も多くみられます。今回のトラムセット発売により疼痛に苦しむ患者さんに今後、新たな治療選択肢が生まれたと思いました。痛いのはみんな嫌いなので今後の動向が気になります

静岡県薬剤師
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人工唾液

今日は処方薬の中でも使う部位が珍しい薬をご紹介します。

その名もサリベートエアゾール

口に噴霧する薬というのが全然違う薬ですが

処方薬ではあとニトロールスプレーくらいしか思いつきません・・・

そういえばサリベートってどれくらいの回数使えるのか なと

使う患者さんは一定の間隔で無くなる前にいらっしゃるので

気にしていなかったのですが

初回は聞かれたら目安を話せた方がいいのかなと思い

メーカーに聞いてみました

答えは



大体50回

です。


メ「あ、でも押し具合や押す秒数によってだいぶ変わりますので」

・・・ですよね。

ぱっと答えられる方すごいです。

適応を考えてもいろんな薬局でしょっちゅう出るものではないので・・

ちなみに適応は

①シェーグレン症候群による口腔乾燥症

② 頭頸部の放射線照射による唾液腺障害に基づく口腔乾燥症

です。

んで改めて添付文書よく読んだら

「1~2秒の噴霧で1g」⇒1回の使用目安

・・・!?

 「用量1缶50g」 


・・・!!

割り算すれば出ましたね、メーカーさん余計な手間取らせてすいませんでした

ここで覚えて頂きたいのはつまり


「サリベートの使用可能回数は知らなくても添付文書見ればわかる」

ということでして、、、そんだけのことでして(汗)

ちなみに上記の疾患でなくても口の渇きを訴える方がいらっしゃいますが

そのような方に対してはどうすればいいでしょうか。

内服薬でも唾液を出しやすくする薬はありますがやはり適応は限られたもの です。

医師が診ても処方に苦慮する事もあるかもしれません。

調べてみました

市販のものでも人工唾液ではないですが

色々な工夫をした市販薬があるんですね

恥ずかしながら、初めて知りました。

口の乾燥、保湿、等で検索すればすぐ出ます。

実際これを毎日使ったら月いくらくらいかかるのかなとか考えます。

処方薬だけ考えてちゃいけないな、と改めて感じました

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愛知県 薬剤師
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鎮痛剤と胃腸障害

痛み止めの薬によって胃粘膜障害(胃潰瘍など)が引き起こされることは薬剤師のみならず一般の方にもよく知られています

今回は鎮痛剤を服用するとなぜ胃腸障害が引き起こされるのかを書きたいと思います

まず痛みや炎症の原因となっているのはプロスタグランジンE2(以後PG-E2)と呼ばれる物質であり、

鎮痛剤はこの痛みの原因物質であるPGの生成を抑えることにより炎症(痛み、腫れ、熱)を抑えます。

そして胃の粘膜では胃の粘膜を保護するPG-I2という物質が作られます

お気づきかもしれませんが、鎮痛剤を服用することで痛みの原因物質であるPG-E2の生成を抑えるのと同じく、胃の粘膜を保護するPG-I2の生成も抑えることで胃腸障害が引き起こされることになります

この胃腸障害のリスクを下げるために、プロドラックと言われる血中に入ってから有効成分に変化するような薬や、剤形を変えることで直接胃の粘膜を刺激しない経路で薬を吸収させたり、PG-E2をより選択的に抑えるCOX2阻害剤など色々な薬が開発されています。

ですが「クスリ」に「リスク」はつきものです。

処方箋がなくても購入できる「ロキソニンS」も先日販売が開始され、より身近になった鎮痛剤。

たかが鎮痛剤と思われがちですが鎮痛剤による胃潰瘍は多発性、難治性で自覚症状にあらわれにくいとされています。

自己判断で常用したり、連用することはリスクを上昇させます。

かならず、医師・薬剤師の指示を受け、正しく薬を使用しましょう

京都 薬剤師

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トラゼンタ錠

こんにちは、月曜日の真面目な薬の話です。今回は4成分目のDPP4阻害薬「トラゼンタ錠」についてです

その前に、DPP4阻害薬が発売され約一年が経ちましたが、その有効性の高さには驚きましたまた、発売当初は、適応が認められている併用薬の違いに戸惑いながら調剤をしていましたが、現在は落ち着いているようです。

 さてさて、この併用薬に戸惑いながら調剤しているとき私は、透析設備のある病院の門前で働いていました、みなさんご存知の通り、腎機能と糖尿病には密接な関係があります。ここで察しのいい方はお気づきかもしれませんが、DPP4阻害薬は成分によって腎不全に対して慎重投与、禁忌の違いがあります。当時は覚えること、注意することがいっぱいでした(笑)

 本題ですが、今回発売のトラゼンタ錠は胆汁排泄型なので、腎機能による投薬禁忌、容量の調整がありません。また、腎機能低下患者に腎排泄型の薬を投与すると、副作用リスクが高まりますが、胆汁排泄型の薬ではそのリスクが低いと考えられます。2型糖尿病患者の多くが腎機能低下のリスクを有しているか、合併していることを考えると、トラゼンタ錠は非常に有益な薬ではないでしょうか

ただ承認時点では単独での使用しか認められていません!!他の糖尿病との併用が認められていません。追加承認を受けるのでしょうか?まだまだ覚えること、注意することが増えそうです(笑)

静岡県薬剤師

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目薬使用における質問

<目薬使用における良くある質問について>

1.コンタクトレンズ を付けたまま目薬を使用していい?

原則としてはコンタクトレンズをはずし、点眼後5分以上経ってから装着します

この時問題となるのは、レンズ下の涙液中やレンズ内に薬剤が滞留し、
主薬剤による副作用防腐剤などによる角結膜障害、またレンズ自体の変質などが起きる可能性があるためです。

特にソフトコンタクトレンズは水分を多く含む材質でできているためレンズの上から点眼を続けると
主薬や防腐剤などがレンズ内に吸着・蓄積し、それが徐々に放出されることにより持続的に角結膜に障害を起こす恐れがあります。

このため一般的にソフトコンタクトレンズを付けたまま点眼剤を使用することは禁忌であるという考え方が一般的です。

点眼薬によってはコンタクトレンズを付けたまま点眼して良いものもありますが、
コンタクトレンズの種類(ソフト、ハード(酸素非透過性・酸素透過性))によっても異なりますので、主治医に確認してみましょう

また、結膜炎や感染性眼疾患などの場合、コンタクトレンズ装用自体が病状を悪化させたり治癒を遅らせる原因になるので眼鏡を使用しましょう

2.複数の目薬を使用する場合の順序は?

特に医師からの指示がない場合、5分以上点眼間隔をあけるようにします
(5分以上の点眼間隔をあけることで相互の影響は少なくなると考えられています。)

点眼剤の併用についてしっかりとした検討はなされていないという現状もありますが、
順序をつけるとすると

①水性点眼剤の場合、良く効かせたい方を後に点眼する。
⇒初めに点眼した薬剤の結膜嚢からの排出速度が次の点眼により増大し薬効が減弱する恐れがでるため。

②懸濁性点眼剤は後から点眼する。
⇒水に溶けにくく吸収されにくいため。

③点眼液と眼軟膏の併用では、眼軟膏を後から点入する。
⇒眼軟膏は水性点眼剤をはじくため。

といった感じです

ただ、緑内障治療薬などで点眼順序によって眼圧下降効果が異なる場合があるため、医師の指示がある場合は指示に従って使用しましょう。

中部薬剤師

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冷蔵庫で保管する薬

今日は お薬の保管についてお話したいと思います。

処方薬のほとんどは常温の保管でOKですがしかし

中には冷蔵庫で保管しなくてはいけない薬という物があります。

冷蔵庫に入れなきゃいけないものって

食品でいえば生もの、痛みやすいもの。

お薬も基本的に同じで

インスリンや一部点眼薬などのタンパク製剤

常温、高温では分解したり変質したりするので冷やしておかなくてはいけません

*くれぐれも冷凍庫には入れないように!解凍しても本来の効果を期待できません!!

その中でも

そういう理由ではなく冷蔵庫に入れておかなきゃいけないやつが

今日薬局で久しぶりに出たのでご紹介します。

薬局薬剤師の方は分かるかな・・・?

その名も

リズモンTG点眼液! (緑内障治療の目薬)

しかも地味に規格(濃度が)2種類あるという。。。

かなり前からある薬なので良く出る薬局では常識でしょうが

この目薬は常温でゲル化(どろどろ)になって眼球の表面に長くとどまることができる目薬です。

そうすると何回も目薬をさす必要がなくなって便利なんです

冷所ではさらさらになります。

つまり冷蔵庫に入れとかないとどろどろになってちゃんと点眼できないんです!

とは言ってもドロドロになったら30分以上冷蔵庫に入れればまた元に戻るので心配なく。

旅行時等も必ず持って行って下さいね。

常温保管でも品質には問題ないので厳密には冷蔵庫に入れなきゃダメ!というわけではないのですが使う前に30分待つのは鬱陶しいですよね・・・

最近では各メーカーさんの努力によって冷蔵庫保管しなくてもよくなった目薬も出てきましたが
このような理由で冷蔵庫に入れなくてはいけない薬もあるんですね。

初めてリズモンTGに触れる方はご注意を!

中部 薬剤師

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禁煙補助薬

今回は最近コマーシャルでもよく流れている禁煙の為の薬について書こうかと思います

薬について話す前に「ニコチン依存症」について少しだけ書かせてもらいます

タバコにはニコチンが含まれ、ニコチンには強い依存性があり、喫煙者の約70%は「ニコチン依存症」と言われる状態にあります。

この状態だと禁煙の意志があろうとも意志の力だけで禁煙を成功させるのは非常に困難です

そのため最近では禁煙外来を設けている医療機関も増え、一定の要件を満たせば健康保険等も適用されるようになりました

では、ここから薬について書かせていただきます

禁煙補助の薬としては大きく分けて3種類あります

ニコチンパッチ

 ・ニコチンを含んだ貼り薬で1日1回上腕、おなか、背中のどこかに貼る。

 長所→人に気付かれにくい
    仕事などでガムを噛んだりすることができない状況でも使用できる。
    一定の要件を満たすと健康保険等が適用される。

ニコチンガム

 ・ニコチンを含んだガムで口の粘膜からニコチンが吸収される。
  吸いたくなったときに1回1個噛む。

 長所→吸いたくなったときにいつでも使用できる。
    ニコチン補給と同時に口寂しさも紛らわせる

内服薬(チャンピックス)

 ・ニコチンを含まず、ニコチン切れ症状を軽減し、タバコをおいしいと感じにくくする。
  1日1回から服用開始し1週間の間に徐々に増量し、内服開始後8日目から禁煙を開始する。通常12週間服用する。
 
 長所→肌の弱い人、日中ガムを噛んだりすることができなくても使用できる。
    ニコチンを含まない。
    一定の要件を満たすと健康保険等が適用される。

今回は③の内服薬の注意をいくつか

・服用後にめまい、眠気、意識障害等の症状が現れる可能性があり、運転など危険を伴う機械操作を避けましょう。

・ニコチンを含んだ禁煙補助薬(上記①②)との併用は避けましょう。

・主な副作用として吐き気、頭痛、便秘、悪夢、不眠などがある。
 吐き気などの副作用を起こりにくくするため必ず食後に服用しましょう。

・その他服用に関し気になることや症状あれば、医師、薬剤師に相談しましょう。

喫煙者のほとんどがタバコは体に悪影響を及ぼすと思いながらもなかなか止めれないかと思います

最初に書かせてもらいましたが、自分の意志だけではかなり難しいとも思いますので、興味があれば近くの禁煙外来を設けている医療機関に相談してはいかがでしょうか

すぐ禁煙.jp参照

京都 薬剤師

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新規PPIについて

本邦5剤目となるPPI、エソメプラゾール(商品名:ネキシウムカプセル)が上市されました。これは、今まであるオメプラゾール(商品名:オメプラール、オメプラゾン、他)の光学異性体(S体)を含有するPPIです。相違点として、今までNSAIDs投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制としての適応は、タケプロン15mg(成分名:ランソプラゾール)しかなかったのですが、ネキシウムカプセルもこの適応を取得しています。
予断ですが、商品名のネキシムですが、Next Milleniumに由来するそうです。この様な覚え方をすると、商品名も覚えやすいですね

愛知 薬剤師

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デパケン、セレニカ片頭痛予防の適応追加

 2011年06月16日にデパケン、セレニカが「片頭痛発作の発症抑制」の適応追加が承認されました

 これまで片頭痛予防薬には数十種類の薬剤が知られていました。 なかでもエビデンスがあるのはトリプタノール、デパケン、インデラルですが、これらはいずれも保険適応外でした。ミグシス・テラナスが片頭痛予防に保険適応を取得しており、これが実質的に第一選択となっています

 しかし、ミグシス・テラナスの有効性は 約70%で無効の場合は保険適応外の予防薬を選択しなければいけませんでした片頭痛の頓挫薬(NSAIDs、エルゴタミン、トリプタン)でコントロールすればよいのでは?という人もいるかもしれませんが、上記の薬を連日のように服用すると薬物乱用頭痛を招きかえって頭痛がこじらせることがあるので、発作頻度の多い患者さんでは予防療法が重要な治療です

 今回追加された適応では用量が400~800mgなお、年齢・症状に応じ適宜増減するが、1日量として1,000mgを超えないこと。となっており、てんかんや躁うつ病とは用量が違うところに注意が必要です

今回の適応追加により今まで保険適応外であったデパケン、セレニカがより使いやすくなり、その恩恵を受ける患者さんも多いと思います

静岡県薬剤師

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