この冬の時期、肌の乾燥が気になる人が多いと思います。先日も患者さんに「プロペトだけ欲しいのに病院が混んでいて疲れちゃうから、ドラッグストアーとかに売ってないの」と聞かれました。そこで乾燥防止などによく使われる塗り薬、ワセリンについてお話します。
ワセリンといっても、いろんな種類があります。
黄色ワセリン … やや不純物が混ざったワセリン
白色ワセリン … 黄色ワセリンと比べ、より生成し不純物を取り除いたもの。ただし、まだ微量ですがベンゼン等の不純物が少量残っています。
プロペト … 白色ワセリンよりも高度に不純物を取り除いたタイプのワセリン。白色ワセリンよりも高純度、高品質と言われています。
サンホワイト … ワセリン中に微量含まれる不飽和化合物、芳香核化合物などの不純物がほぼ完全に除去されており、紫外線吸収の影響をほとんど受けないため、化粧品の基剤や医薬品軟膏基剤として広く利用されています。
これらの違いは純度の高さと粘度の強さであり、この二つの強さは反比例しています。
私の個人的な意見としては、唇の荒れには粘度の弱い、かつ純度の高いプロペトがリップクリーム代わりとしてはいいと思います。
肌の乾燥には普通の肌なら白色ワセリンで十分だと思いますが、アトピー性皮膚炎の患者さんなどで不純物が悪影響を与えてそうな人には、プロペトのほうが良いと思います。ただ、どちらを使用してもべとつく感は否めないですけどね。
黄色ワセリンに関しては、正直一度も使ったことがなく見たこともないので、使用感が伝えられません。ごめんなさい。
サンホワイトは一番良いものだとは思いますが、価格が普通の白色ワセリンの数倍で保険適応されておらず、薬価収載されていません。私だけかもしれませんが、ドラッグストアーで販売してあるのをみたことがなく(販売しているところはあると思いますが)入手するのは難しいかもしれません。
白色ワセリンやプロペトはOTCの第三類医薬品として処方箋がなくても買えますので、お買い求め易さからするとこちらで十分なような気がします。
色々、書かせていただきましたが、いくら乾燥肌だとしても塗布したままの時間がながいと、肌荒れなどの肌トラブルを起こす危険性があるため、きちんと塗ったワセリンを洗い落とすスキンケアが重要です。肌の管理を怠らないようにし、この乾燥しやすい冬を乗り切りましょう。