こんにちは、長野の薬剤師Yです。
今日はお薬の話をしようと思います。
飲み薬には錠剤やカプセル、粉、シロップといったお薬の種類があります。
吐き気が強くて錠剤や粉を飲めない場合はシロップ
お子さんで錠剤やカプセルが飲めない場合は粉やシロップ
逆に粉やシロップを飲めないという大人の方も、意外にいらっしゃいます
またお薬自体の問題(湿気を吸いやすいとか、光に弱い、液体にするとすぐ効果が弱まる)
といった理由で決まった剤形(薬のタイプ)しかないものもあります。
医師や薬剤師は患者様がどのような状態、年齢か、などを考えて同じ薬でも粉にしてみたり、カプセルにしてみたりしているわけです。
そんな中で、薬を粉砕するということもあります。
粉砕とは、そのままですが錠剤をつぶすことです。
粉砕が必要な場合のひとつに、患者様が胃ろうや腸ろうをされている場合があります。
胃ろう?腸ろう?
聞きなれない方もいらっしゃると思いますが
色々な理由で口からお食事が取れない方に胃や腸にチューブを通してそこから流動食やお薬をとることをいいます。
例えば今回はフロセミドという利尿剤の錠剤を粉砕してお渡しするよう処方箋の指示がありました。
実はフロセミドには粉の製品もあります。
「粉で処方してもらおうか?」
そういう選択枝もありますが、実は粉砕する方がいいこともあるのです。
それは粉の量が少なくて済むということです。
このフロセミドの製品は含量4%の製品がありますので1日20mgという処方でしたら
粉の量は0.5gになります。
これを錠剤を粉砕すると0.1g以下になります。
あまりに粉の量が少ないので薬効のない乳糖という粉でかさまししなければいけないほどです。
粉の量が多ければ必然的にチューブに詰まりやすくなったりする可能性があります。
3種類、4種類・・・となればその差はさらに大きくなります。
ただし、粉の製品は薬の刺激を減らしたり、溶けやすくしたりした工夫をされていることもあるので
なんでもつぶせばいいというわけではありません。
そこで今回フロセミドの粉砕したものを溶かしてみました。
だまになったり、浮いてしまってコップや容器の壁面にべったりついてしまうようでは失格です。
さて結果は、、、
分かりづらいと思いますが多少かすが沈殿したものの、うまく懸濁しました。
実際には水に溶かすよりも流動食に溶かすことが多いかもしれませんが
薬に特別な処理をしなければいけない場合は色々検証してみないといけないと改めて感じました。