インフルエンザ

ブログをご覧の皆様、明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします

さて、今回は毎年冬の話題にあがるインフルエンザについてお話しようと思います。

インフルエンザは、飛沫感染(くしゃみや咳をしたときに含まれるウイルスを吸い込むことによる感染)し、感染力が強く重症化することがあるため、感染症法で「五類感染症」に定められています。

また、学校保健安全法では第二種の感染症に分類され、インフルエンザにかかった場合、感染の拡大防止のため、出席停止期間が設けられています。

ところで、2012年04月に学校保健安全法が改正され、出席停止期間が変更されたのをご存知ですか
変更前までは「解熱した後2日を経過するまで」だったのですが、

「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」

に変更されました。

これはタミフルやリレンザ、イナビルなどの使用により、ウイルスが体内に残ったままでも2日程度で熱が下がることが多くなっているのですが、この状態ではまだ感染のリスクが残っているためです。

現在、インフルエンザの治療薬は種類あり、どれもウイルスの増殖を抑える薬です。

インフルエンザウイルスは症状が出てから2~3日後(48~72時間後)に最も数が多くなります。
そのため、ウイルスの量が最大になる前、つまり症状が出てから48時間以内に抗インフルエンザ薬を使って増殖を抑えることで、病気の期間を短くし、症状の悪化を防ぐことが期待できます

・内服薬
<シンメトレル>
A型インフルエンザのみ有効
パーキンソン病の治療や脳梗塞の後遺症を改善する目的でも使用されている

<タミフル>
A型、B型インフルエンザに有効
ドライシロップとカプセル剤があり、吸入のできない幼児にも使用できる

・吸入薬
内服薬に比べ、吸入操作が面倒だったり、うまく吸入できないと効果が期待できなくなってしまいます。
それなのに吸入薬であるメリットは、インフルエンザウイルスが増殖する気道などの粘膜に直接薬剤が届くので、十分な効果と即効性が期待できる。また、内服薬に比べ全身性の副作用を起こしにくいことがあげられます。

<リレンザ>
A型、B型インフルエンザに有効
吸入ができない小さな子供には使用できない
(上手く吸入ができるようなら、5歳以上から使用できます)

<イナビル>
A型、B型インフルエンザに有効
吸入ができない小さな子供には使用できない
長時間作用型の薬剤で、1回の使用で済む
(ただし、吸入する量は異なり、10歳未満の小児には1容器、10歳以上では2容器吸入)

・点滴薬
<ラピアクタ>
A型、B型インフルエンザに有効
長時間作用型のため、1回の点滴で済む
薬が飲めない人や吸入ができない人、咳や嘔吐がひどい人でも使用できる

この他に、現在開発中の薬(ファビピラビル)もあります。
これまでの薬剤と作用機序が異なる内服薬です。
A、B、C型全てのインフルエンザウィルスに効果があり高病原性鳥インフルエンザや新型インフルエンザにも有効と考えられています。
また、これまでの薬と違い、ウイルスそのものを攻撃するため、48時間以降でも効果が期待できるそうです

タミフルしかなかったころに比べると、インフルエンザの治療薬も幅が広がってきていますね

ただ、薬剤によりそれぞれ特徴があります。
特に吸入薬ではうまく吸入ができないと効果が期待できなくなってしまうので、医師や薬剤師の説明を十分聞いてくださいね。


中部 アラフォー薬剤師 男性

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