♪世界中~ だれだーぁって 呪いなんて~ かけられたくない
はずですよね? 久しぶりに歌から入った、難病おぢさん薬剤師です。
私はいろいろな店舗にお邪魔させていただいているのですが、週に一回必ず、千葉県のかなり東京寄りにある、夢の国の近くの店舗で遅番をしています。目の前にある病院は地域の基幹病院なので、
日中は比較的難しい症例の患者さんを、
夜間の時間帯には救急でいらっしゃった患者さんを
診てくれます。他の店ではあまり見ない薬もいっぱいあるので、とても勉強になります。
昼間の時間帯は近隣の方が中心なのですが、夜間になると他都道府県からいらっしゃる方が多くなります。で、住所をみて「明らかに近隣の人ではないな」という方に共通してみられる特徴が、「本来の目的地は夢の国だったはずなのに、具合が悪くなって受診」ということ。 ですから、いろんな人間模様を観察することができます。
■修学旅行で… 夢の国に行って力尽きたのならまだいい?のかなと思いますが、男子中学生が5-6人インフルエンザの集団感染でご来局。服薬指導は全員同じ薬を吸入していただくだけなのでそれほど大変ではなかったのですが、多分診察室で本人たちは聴けなかったんでしょうね。薬を吸い終わって帰り際に次のような会話が…
生徒:「先生… 明日は?(夢の国に行けますか?)」
先生:「もちろんダメに決まってるだろ。俺も一緒にホテルに待機だ。」
このやり取りで、絵に描いたように5-6人の中学男子が意気消沈して崩れ落ちたシーンは、今でも心に残っています。(先生も、心なしか残念そうでした…)
■デートで… 一方こちらは、日中パークに出かけた男女。具合が悪かったのは男性の方で、女性は元気いっぱい。少々年齢が若めであったのと、来ている服にファミリー感がなかったので、夫婦ではなさそうかな?とか思いながら投薬開始。男性はぐったりしていて立ち上がれないので、女性とお話ししていると(そんなに根掘り葉掘りこちらから聴いたわけではないのですが)、
男性はお付き合いしているカレシ。私(女性)がインパ(夢の国に行くことを専門用語でこう言います)するのを楽しみにしていたので、日中は無理して体調が悪かったのを黙っていた。夕方になってふらつき始めてようやく体調不良を白状し、病院に来た。
物語で描かれていそうな青春ですねぇ~。他にも数カップルこういう方々を目にしましたが、全員「男性が日中我慢して夕方ダウン」パターン。まさに、男のロマンです(笑)。これに遭遇した場合、自分の願望をこめて女性方には
「精一杯のやせ我慢をしたから、今日ぐらいはやさしくしてあげてね」
とお願いするようにしています(笑)。
■一番多いのは家族で… お子さんがはしゃぎすぎてトラブるケースですね。炎天下走り回って夕方体調不良が一番多いかな?と思います。ホテルでテンション上がりまくって暴れて骨折などといったように、インパ前の自業自得によって翌日全員インパできなくなるという惨事を招くこともしばしばです。こういうのを目にすると、大阪の映画のテーマパークなどに子供を連れていく場合に、二の轍を踏まないようにしようと心から思います。
■こういう
・目的地からあふれてご来局した方
・目的地が病院・薬局になってしまった方
に、申し上げていることがあります。(あ、もちろん、冗談が全く通じないような相手には言わないですが)
夢の国は『再び来たくなる魔法』をかけてくれたと思いますが、
私は『この薬局には二度と来られなくなる呪い』をかけておきますね!
遠くからいらっしゃって、イチブかゼンブの予定をフイにしてらっしゃる時に、「またいらっしゃって下さい」的なニュアンスのことを言われたら、自分だったら嫌だなと思って始めたんですが、大好評です(笑)。あなたに呪いをかけましたって言ってるのに、皆さんに「ありがとうございます」とおっしゃって頂けています。
■これが、この薬局だけに言えることなのか? 薬局には体調が悪いから来るわけなので、「またいらっしゃってくださいね」という挨拶は「不健康になってね」と願っていることになっちゃうんじゃないの?と前々から思っています。本当は、坊主と医者(と薬剤師)は、この世に存在しない方が人々が幸せなはずですが、死と病は残念ながら訪れる。だから医療機関の人間は
・本当は来ないことが一番良い(健康に過ごしていただきたい)けど、何かあった時にはあなたのお役に立ちますから、私の所にいらっしゃってくださいね!
という精神を忘れないようにしましょう!
( 40代 男性薬剤師@今日もええこと言ったと自己陶酔中 )