こんにちは月曜日のまじめな薬のお話です
今回は7月に発売されたトラムセットについてです。この薬は以前から発売されていたトラマール(トラマドール)37.5mgとカロナール(アセトアミノフェン)325mgの配合錠です。トラマールの適応が癌性疼痛であるのに対してトラムセットは非がん性慢性疼痛、抜歯後の疼痛の適応となりました
私はトラマールの適応が非がん性慢性疼痛まで広がると思っていたのですが、配合剤として発売されるとは驚きました。配合の割合については臨床試験で試した結果決められたみたいです。残念ながら私にはトラマールの投薬経験がありませんが、「吐き気」が高い確率で発生するようです。ただし2,3日の服用で緩和されていくとのメーカーからの説明を受けました。
薬局で働いていると、多くの高齢者の方に腰、膝の疼痛に対して長期にわたり非ステロイド系鎮痛剤が処方されている例を見ますが、みなさんご存知の通り、高齢者に対する長期非ステロイド剤投与は腎機能低下、心不全、胃腸障害等のリスクを高めます、しかも疼痛が非ステロイドでは緩和されていない方も多くみられます。今回のトラムセット発売により疼痛に苦しむ患者さんに今後、新たな治療選択肢が生まれたと思いました。痛いのはみんな嫌いなので今後の動向が気になります