こんにちは!国試対策課のハカセです😍
ついに106回の薬剤師国家試験がありましたね。
今年受験された皆さん、本当にお疲れ様でした~💮
そして来年受験を控えた皆さん、さっそく問題見てみたよって方もいるのではないでしょうか❓
過去問の使い方は1月の記事でもお伝えしているので参考にしてみてね✨
今回は、【もうすぐ6年生!3ヶ月で差がつく国試対策シリーズ】の最終第3回目!
「早くから覚えておくと便利!差がつく臨床検査値」がテーマです💉
検査値ってたくさんありますよね。
単位・基準値・疾患や体調との関連すべて覚えてやっと臨床に生かすことができます。
国家試験では特殊な腫瘍マーカーなどでない限り、当然知っているものとして問題に書かれて来ます。
実際の医療現場でも、最近は院外処方箋に臨床検査値を載せてくれる病院が増えたので、数字が気になる患者さんも多くいらっしゃいます。
基準値は大きくは変わらないものなので、早くに覚えて損はありません❗
今回は毎年絶対1問は載っているだろう検査値を2種類ピックアップしましたので、これを機に覚えてみてください☺
1)AST・ALT
定番中の定番ですね。国試対策の参考書だったら臨床検査値の1ページ目にあってもおかしくないです。
AST=Asparate aminotransferase :アスパラギン酸アミノ基転移酵素(基準値:10-40 U/L)
ALT=Alanine aminotransferase :アラニンアミノ基転移酵素(基準値:7-43 U/L)
どちらも逸脱酵素という点がポイントです。
逸脱酵素とは、普段は細胞内から外には出てこないはずが、細胞の障害によって血液中に流出してしまった酵素のことです。
細胞が壊れて中身の液が飛び出ちゃった様子を想像するとわかりやすいかな?
なのでこの数値は「血液検査でわかる」かつ「増加すると細胞が壊れている=障害がある」数値ということですね。
ASTは絶対量が多い。分布は心筋>肝臓>骨格筋 広く分布している
ALTは量はそこそこだが半減期がASTより長く、分布は肝臓≫心筋>骨格筋 とにかく肝臓特異的
つまり肝障害・心筋梗塞・激しい運動などで細胞が壊れると上昇し、その中でも、数値の大きさとAST/ALTの比を見ればどの部位の細胞にどの程度の障害があるかわかります。
一覧にしてみたので参考にしてください。
AST>ALT | AST<ALT | |
~100 U | 肝硬変・肝癌・黄疸 アルコール性肝障害 |
慢性肝障害 |
100~500 U | 心筋梗塞 筋疾患(筋ジストロフィ-や筋炎など) 溶血性疾患 |
慢性肝炎 薬剤性肝炎 |
500 U~ (多い時は1000にも) |
ショック状態 重度の心筋梗塞 |
急性(ウイルス性)肝炎 劇症肝炎 |
2) SCr(血清クレアチニン)
基準値:男性 0.6-1.0 mg/dL 女性 0.5-0.8 mg/dL
こちらも定番ですね~😎腎機能の指標です。
クレアチニンはエネルギー産生経路で産生される副産物で、それ自体は体内で利用されず、腎臓で糸球体濾過を受けた後、ほとんど再吸収されません。
そのため血中や尿中のクレアチニン値に異常がある場合、糸球体濾過能に異常がでている=腎機能障害が疑われます。
クレアチニンクリアランスやeGFRの計算に使うので、そういう値があることは多くの人が知っていると思います。
クレアチニンは筋肉で産生されるため、筋肉量の多い人は高くなることがあります。逆に女性や高齢者では本当は腎機能が悪いのに、筋肉量が少ないために数値が基準値内に収まってしまうこともあり、注意が必要です。
また単位が血液中の濃度である点からわかるように、血液の量=体水分量の影響も受けます。
以上のことから基準値を逸脱している場合に考えられる疾患等をまとめると以下の通りになります。
低値(0.6以下):
・妊娠(体水分の増加)
・尿崩症(水が出続けるので血中のクレアチニンが濾過され続け低下)
・多飲多尿(糖尿病の初期)
・筋ジストロフィー(筋肉の萎縮で産生低下)
軽度高値(1.2~2程度):
・過度の運動や筋肉トレーニング(産生量上昇)
・先端巨大症・巨人症(成長ホルモン分泌過多→筋肉の発達促進→産生量上昇)
・脱水(体水分量の減少で血液濃度上昇)
・軽度の腎疾患(糸球体濾過がうまくいかず血中濃度上昇)
・尿管結石・腎結石(排泄できず血中濃度上昇)
・前立腺肥大(尿が出にくいので排泄できず血中濃度上昇)
重度高値(2.0以上):
・腎不全
いかがでしたか?
もう知ってたよ、って方はすみません。というくらい基礎の内容をお伝えしました。
どちらの検査値も共通して、「その数値のみで病態や肝機能・腎機能などを判断しきることはできない」という点には十分注意してください。
他の所見や検査値もあってやっと診断につながります。
ただ二つとも国試では必ず目にし、見ただけで「基準値をこのくらい逸脱しているから、疾患としてはあれとあれが予想されるな、だから次に確認する検査値や患者主訴は・・・」とロジカルに問題を解く鍵になるため、早いうちに覚えてね☺
3か月にわたってスタートアップ記事を連載してきました。5年生の皆さんは4月から6年生、受験生になりますね。
学生最後の年として学生生活をめいっぱい楽しむとともに、早めの取り組みでいい受験生ライフに踏み出してくださいね😆
★今月の一問★
Q. 50歳男性。身長175 cm、体重60 kg、体表面積(Du Bois式)1.73 ㎡。血清クレアチニン値:0.9 mg/dL、24時間蓄尿法による尿量:810 mL/day、尿中クレアチニン濃度:120 mg/dLのとき、以下の数値はいくつになるか。
(1) Cockroft-Gault式で求めたクレアチニンクリアランス
(2) 24時間内因性クレアチニンクリアランス
*ヒント*式を下に示すのでまだ覚えていないよ、知らないよって方は参考にしてね。
Cockroft-Gault式
CCr (mL/min)={(140-年齢)×体重(kg)}÷{72×血清クレアチニン値(mg/dL)}× 定数a (a= 男性:1 女性:0.85)
24時間内因性クレアチニンクリアランス
CCr (mL/min)={尿中クレアチニン値(mg/dL)× 尿量(mL/day) }÷ {血清クレアチニン値(mg/dL) × 24 (hr/day) × 60 (min/hr)} × (1.73 ÷ 体表面積(㎡))
計算式は慣れと変数の意味が大事。数字を変えてみたり、男性を女性にしてみたりして変数に慣れると検査値に影響する要因も覚えられるのでより理論的な思考ができるよ!
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( ウィーズ新卒採用 国家試験対策課 ハカセ )