今回の薬の話は、アルツハイマー治療薬の新薬についてです。
今年に入り、12年ぶりにアルツハイマー治療薬が新たに加わりました。
今までは、ドネペジル(商品名:アリセプト)だけだったのですが、新たに、メマンチン(商品名:メマリー)、ガランタミン(商品名:レミニール)、の二つが上市され、リバスチグミン(商品名:イクセロンパッチ/リバスタッチパッチ)が上市予定です。
4種の薬剤で唯一、イクセロン/リバスタッチは世界で唯一の貼付剤で、嚥下困難な患者さんには新たな治療法と期待されています。
気になる、作用機序ですが、ガランタミン・リバスチグミンは、ドネペジルと同じくAChEI(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤)です。
メマンチンは今までとは違う新たな作用機序で、NMDA受容体にアンタゴニストとして働き、脳神経細胞の過剰な興奮を抑える働きがあるそうです。
特に、AChEIとメマンチンは併用が可能で、アルツハイマー治療に新たな光が差し、大いに期待しています。
ただ、すべての薬剤の添付文書には、「本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。」と記載されています。今年に入り、新薬上市が相次ぎましたが、今後のアルツハイマーの研究・創薬に期待をしております。
関東 薬剤師