SGLT2阻害剤

最近発売された新しい糖尿病治療薬、SGLT2阻害剤についてご紹介したいと思います。
SGLT2阻害剤とは、これまでの糖尿病治療薬とは全く異なる作用で血糖値を下げます。
近位尿細管という尿をろ過していく部分において、糖の再吸収をつかさどる輸送体であるSGLT2を阻害することで、尿中への糖の排出を促進し血糖を低下させます。
つまり、血糖値が高いその糖分をおしっこから出してあげようという薬です。

インスリンを介さずに血糖を降下させることが可能なため、低血糖が起こりにくい、肥満をおこしにくいことが予想され、期待されている糖尿病の新薬です。
SGLT2阻害剤は数社からいくつか類似医薬品として発売されましたが、その中で「アプルウェイ」という今回発売された薬は、SGLT2阻害薬の元となったフロリジンという成分がリンゴの樹皮から発見されたことが由来となっているそうです。
このように、自然界にある成分から医薬品を創製する方法はかつて、かの有名なドラマのなかで「青カビからペニシリンを作る」ということでも見たことある方は多いと思います。
以前、DPP-4阻害薬という糖尿病治療薬は血糖値を下げる効果がある薬ですが、もともとは毒トカゲの唾液から抽出された成分をもととして作られたそうです。
私たち人間よりもはるか昔から進化を続けてきた自然界にはまだまだ知られざる未知なる部分が隠されているんですね。
今回のSGLT2阻害剤は糖尿病で苦しむ多くの患者さんの手助けになる可能性があるため、これから目が離せない存在です。

それにしても、身近な存在のリンゴからこんな薬が登場するなんて本当に不思議だなと思いました。
あ、でもリンゴの実やリンゴの皮をたくさん食べたからと言って血糖値が下がるわけではありません(むしろ血糖を上げる)のであしからず・・・。

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アビガン錠

もうインフルエンザの季節ではないですが、抗インフルエンザ薬のお話です。
3月にアビガン錠(ファビピラビル)が承認されました。
アビガン錠は、今までのタミフルなどの作用機序とは違い、RNAポリメラーゼ阻害剤です。
タミフルなど効かない、インフルエンザ、鳥インフルエンザなどに効果が発揮されると期待されています。
ただし、アビガン錠は、「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、
本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合に、
患者への投与が検討される医薬品」
と特別な規定がされている医薬品です。耐性ウィルスの問題もあるので、妥当な条件かもしれません。

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スーグラについて

最近話題の新薬
SGLT-2阻害薬 スーグラがいよいよ発売になりました
新しい作用機序の2型糖尿病の治療薬です。

作用機序は、腎臓の尿細管にあるSGLT-2を阻害し、尿中に含まれる糖の再吸収を抑制することによって、 尿中に糖を排出するという機序です。

通常、尿中の糖の90%は再吸収され、血中に移行しますが、それを抑えることで血糖値を下げるようです。

このSGLT-2阻害薬ですが、特徴を取り上げてみました

単独使用では低血糖の危険性が少ない
もちろん他剤と併用することで低血糖のリスクが上がってしまいますので注意

・糖(約300キロカロリー、ご飯1杯分)が1日で尿中に出ていく

・インスリン抵抗性とインスリン分泌不全の改善
→インスリンが正常に体の中で作られて、それがきちんと働くように改善する作用もあるようです。

まぁ、薬なので副作用もあります。

・尿路・生殖器感染症→尿中に糖を排出するので、細菌が繁殖しやすくなります。

・頻尿・脱水→糖が排出される際に、浸透圧によって尿量が多くなる。

他にも、腎機能の悪い人、栄養状態が悪い人への使用も注意が必要です
また、尿検査では尿糖が++になってしまいますので尿検査をする際は事前に報告が必要ですね

中部 20代 男性薬剤師

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タミフルドライシロップ

冬と言えばインフルエンザ...

3月と言えばもう春ですが、今年は全国的にインフルエンザの流行が遅れていい
ます

小児のインフルエンザ治療薬と言えば、散剤(粉薬)のタミフルドライシロップ
が活躍します

タミフルはインフルエンザウイルスを撃退する薬ではなく

インフルエンザウイルスの増殖を抑えるお薬なので、

高熱が出始めた感染初期に内服しないと効果が期待できません

さて、このタミフルはかなり苦いので、甘みを加えたドライシロップとして処方されています

そして、このタミフルは飲み合わせによっては苦いので、実際に確認してみました

まずは某コンビニで、高級アイスクリームのチョコレート味バニラ味を購入します。

混ぜて味を確認します。結果、チョコレート味は最強で、ほとんど苦みはありませんでした

でも、バニラは少し苦みが残りました

小さなお子さんは味に敏感なので、より確実に服用してもらうためには薬剤師自らの経験で服薬指導をすることも大切だと再認識できる機会となりました

中部 20代 男性 薬剤師

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イナビル予防投与

こんにちは。
昨年末、抗インフルエンザ薬のイナビル(一般名;ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)に、インフルエンザウイルス感染症予防の効能が追加されました。
今まで、タミフル、リレンザとも適応があったのですが、イナビルもついに予防適応追加です。
イナビルは、10歳以上だと1回に2本吸入が基本でしたが、予防投与時は、10歳以上で、1回1本を2日吸入と、使用方法が違います。
予防薬は増えましたが、インフルエンザの予防は、手洗いうがいです。まだインフルエンザが流行しています。気を付けてください

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医薬品名の由来

こんにちは(^o^)/

入社2年目の薬剤師です

今では後輩もでき、しっかりしなければならないと日々思っています(>_<)

自分も入社したばかりの頃は薬の名前を覚えるのに必死でした(;_;)

そんな自分の経験から、薬の名前が覚えられないなんて人のために、
今日は医薬品の名前の由来についていくつかご紹介したいと思います

・アレジオン(抗アレルギー薬)の名前の由来
アレジオンのア(A)は、なくすという意味で、レジオンは、病変(=lesion)という意味を持ちます。
それから病変をなくす(=Alesion)という意味でアレジオンと命名したようです。

・ブロプレス(降圧薬)の名前の由来
ブロプレスは、血圧を下げる働きを持つことから、
ブロ:ブロックとプレス:血圧(BLOOD PRESSURE)を組み合わせて、ブロプレスと命名したそうです。

・アレロック(抗アレルギー薬)の名前の由来
アレロックは、アレルギー症状のブロックという意味をこめて、アレロックと命名したようです。

・シングレア(抗アレルギー薬)の名前の由来
シングレアは、1 日1 回1 錠(SINGLE)の服用で呼吸(AIR)を楽にするため、
SINGLEとAIR を合わせて、SINGULAIR と命名。

・ジルテック(抗アレルギー薬)の名前の由来
ジルテックの主成分である塩酸セチリジンcetirizineの下線部を逆から読んだZiritecより、
ジルテックと命名したそうです。


・エクア(糖尿病治療薬)の名前の由来
エクア(Equa)の名前は、“等しい、平等”を意味する“Equal、Equality”、“質”を意味する“Quality”が語源で、インスリンとグルカゴン及びα細胞とβ細胞の作用と質をバランスよく保つという意味があります。


・ヒルドイド軟膏の名前の由来

ヒルドイドの主成分は、蛭の唾液腺に含まれています。
そこで、ドイツ語のHirudo(蛭属)と~oid(~の様なもの)を組み合わせて、ヒルドイドと命名されたそうです。


・デパス(抗不安薬)の名前の由来

デパスのデは、「(病的状態から)離れること」(DE)、パスは、英語で「通り過ぎる」( Pass)を表し、これらを組み合わせて、デパスと命名されたそうです。


・キプレス(抗アレルギー薬)の名前の由来

キプレスは、喘息の発作が起こらないような状態を維持する薬であることから、
キープ(維持)+レスト(寛解期:喘息の発作が起こらない期間)で、キプレスと命名したそうです。

以上です。
また機会がありましたら紹介したいと思います

愛知県 薬剤師 20代男性

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イーケプラについて

今回は抗てんかん薬であるイーケプラについて調べてみました

イーケプラは比較的新しい抗てんかん薬です。
他の抗てんかん薬とは異なる作用機序を持つため、他の抗てんかん薬の効果が不十分な場合に追加する薬剤として位置付けられています

そもそも、てんかんとは慢性の脳疾患のことで、大脳の神経細胞が過剰に興奮するために、痙攣などの発作が起こるものです。
抗てんかん薬はその脳の異常な活動を抑えるように作用します。

例えば、部分発作の第一選択薬であるカルバマゼピンは脳の活動に関係するNa+の細胞への流入を抑制する薬剤です。

一方、イーケプラは神経伝達物質放出の調節に関わる脳のシナプス小胞タンパク2A(SV2A)と特異的に結合することで抗てんかん作用を発揮します。 さらに、カルシウムチャネルを阻害するなどして脳の神経の興奮を抑える薬剤です。

従来のてんかん治療では、最初の薬剤を最大容量まで使用しても効果が十分に得られない場合に他の薬剤に変更する方法が主でしたが、 その場合、薬の量が増えると同時に副作用の発現リスクも高まってしまうということが多くありました

そこで、最近ではイーケプラなどの新しい抗てんかん薬を比較的早い段階で追加する方法が注目されています。

イーケプラの特徴をまとめると、

・他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない通常4歳以上の小児から成人までのてんかん患者の部分発作に有効である
・他の抗てんかん薬の血漿中濃度に影響しない
・有効用量から投与開始できる
・他の抗てんかん薬とは作用機序が異なる
・錠剤とドライシロップの2剤形ある
などがあげられます。

他にも効果の発現が早いことも注目されるポイントの一つで、投与翌日から発作抑制効果が期待できるという特徴があります。

抗てんかん薬の中には効果判定まで1年ほど必要な薬剤もありますが、イーケプラは遅くとも半年で効果の判定が可能なんです
てんかん治療の早い段階での使用が試みられてよい薬剤と言えるかもしれませんね

実際、米国のエキスパートオピニオン2005でレベチラセタム(イーケプラの成分名)は部分発作の併用薬として、
どの薬剤との組み合わせにおいても高い評価を受けています

てんかんは、発作が起きると意識障害を起こすことも多く、日常生活に大きく影響する疾患です。
そのため、発作ゼロを目指した治療が理想なんです

また、薬による副作用の軽減もとても重要です。
イーケプラも多くの他の抗てんかん薬同様、傾眠などの副作用の報告があります。
ただ、他剤とうまく組み合わせて用量を調節することで、そのような副作用の軽減も可能かもしれません

今後イーケプラのような新らしい抗てんかん薬が増えれば、さらに薬剤の選択肢が広がり、
発作ゼロに向けたてんかん治療が発展していくかもしれませんね

中部薬剤師 30代 男性

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小児のお薬

今回ブログを担当させていただく岐阜県の薬剤師です

自分が今いる薬局は小児科の門前の薬局でして、子供のお薬ということでお母さん方からさまざまな悩みや相談を耳にします。
特に多いのはお子さんがお薬を飲みたがらないということ
中には毎回飲ませようとしてもお薬を見た瞬間に泣き出してしまうなんて子もいらっしゃるようです・・・。
そんな子には相性のいい飲み物、食べ物を教えてあげたり、「お薬飲めたねゼリー」を勧めたり、どうにかして嫌がらず飲んでもらえるよう日々考えています。

無題

この前偶然目にしたのがこれ

2

咳止めのツロブテロール貼付剤の専用ケースです
可愛いか可愛くないかは人それぞれですが、うまく貼れたら日付の所にシールを貼ろうというように、ゲーム感覚で使えるものです。
子供たちにお渡しすると、想像以上に大喜びでした

楽しくお薬を服用することが小児科ではコンプライアンスの向上に直結すると思います。
これからも子供の立場に立って考えていきたいと思います

                              20代 岐阜県 薬剤師

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目薬の使用期間

こんにちは(^_^)/
暦の上ではもう秋ですが、まだまだ暑い日が続きますね。
今回は最近自分の身の回りにおいて、薬の使用で気になったことを書いてみたいと思います。

【開封済み目薬の使用期間】

目薬を使われている方々の中には目薬の使用期限をほとんど気にしない方々がいらっしゃいます。中には半年間同じ目薬を使い続ける方も…(^^;)
しかし、目薬も他の薬と同様に使用期間がきちんとあるのでこれを超えた物は残っていたとしても捨てるようにしましょう。
開封済み目薬の使用期間は特に保存における注意書きがない場合は基本的に開封後およそ1か月程度になります

一度開封すると以下の現象が起こります。
① 空気に晒されることで目薬が酸化をする
② 水分が蒸発して薬自体の濃度が高くなり成分が変質する。
③ 空気中の細菌が薬の中に少しずつ入り汚染されていく。

このようなことが起こり目薬の品質が徐々に低下していくため、開封後は長期間の使用を避けるのが望ましいと思われます。
また薬の箱や容器に書いてある使用期限は未開封のもの指していますのでご注意下さい。

これから寒くなるにつれて湿度が低下し乾燥してきます。コンタクトレンズを使用している方は今までより目薬を使う頻度が多くなるかもしれません。
結膜炎などの思わぬ事態を避けるためにも、正しく目薬を使用しましょう。

中部 薬剤師 男性

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レストレスレッグス症候群

レストレスレッグスという症状をご存じでしょうか

日本語になおすと レストレス=落ち着かない  レッグス=足 です。

別名:下肢静止不能症候群むずむず脚症候群とも呼ばれ、足がムズムズしたり、
動かしたくなる症状がでるのが特徴です
レストレスレッグス症候群はリラックスしているときに現れることが多く、夕方から夜にかけて強くなる傾向にあります。症状は足を動かすことで軽減します。

レストレスレッグスの原因ははっきりわかってはいませんが、脳の神経どうしの連絡役をする「ドパミン」がうまく働かないことが関係していると考えられています。
また、体内でドパミンを作るのに必要な鉄分が不足すると症状が出やすくなることがあります。

さらに、レストレスレッグスは糖尿病や妊娠、リウマチなど、他の病気などが原因となって発症する場合もあるそうです

症状が軽い場合はマッサージ運動、鉄分の補給、禁煙、禁酒などの生活習慣の改善で症状が良くなることがあります。それでも治まらなかったり、症状が重い場合は薬で治療をします

主に使用されるのはドパミンの作用を高めたり、ドパミンが作用する部分を刺激するような薬です。現在日本では飲み薬に加え、24時間一定して体に薬を運ぶことができるパッチタイプの薬も販売されています。

レストレスレッグス症候群はまだまだ広く知られていない病気です。
そのため、正しい診断を受けることができずに症状が悪化するケースも多くあります。
現在日本では人口の2~5%もの潜在患者がいると言われています。

レストレスレッグス症候群は放っておくと不眠などになり、それが気持ちにも影響して日常生活が困難になることもある怖い病気です。もし気になる症状があるのなら、病院で「レストレスレッグス症候群かもしれない」と相談してみてください。

中部薬剤師 30代男性

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